安部貢太朗
KOTARO ABE

1988年大分県生まれ。2015年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を修了し、東京を拠点に制作を続けている。
彼は、黒ごまやタピオカ粉など、私たちが日常的に口にする食品の材料に顔料とメディウムを混ぜ合わせた独自の「絵の具」を開発し、絵画作品を制作する。この手法は10代後半から続けており、そのルーツは、魚の養殖業を営む生家で、魚の見栄えを良くするために自然着色料を用いた餌を与える光景を目にしてきた経験にある。
作品制作の過程では、カビや腐敗、ネズミに食べられるなど、多くの失敗を経験しながらも、美術品としての耐久性を持たせるために素材の配合や乾燥・定着の技法を独自に研究。科学的な実験を繰り返すような探究心に支えられた制作スタイルが特徴である。
近年の主な展覧会に、「総天然色」(NANZUKA、東京 2017年)、「The Passenger」(3110NZ by LDH kitchen、東京 2023年)、「EFFIGY」(NANZUKA 2G、東京 2024年)などがある。