Julio Anaya Cabanding

JULIO ANAYA CABANDING

1987年スペイン・マラガ生まれ、マラガを拠点に活動。2018年にマラガ大学ファインアート学科を卒業。地元の廃墟や橋の下、港など人が訪れない場所に、美術史上の名作を細密なグラフィティとして描くことで注目を集め、SNSを通じて世界的な評価を得た。リヨン・ビエンナーレでは、テオドール・シャセリオーの「オリーブ畑のキリスト」を引用した大作を発表し話題となった。
彼の作品は、廃材のダンボールや石膏ボードなどをキャンバスに、美術館で神格化された名画を描くことで、アートの価値やシステムに疑問を投げかける。これは、かつてマルセル・デュシャンが既製品を美術館に持ち込んだ試みと逆のアプローチであり、美術館と公共空間、耐久性とアートの価値といったテーマを複合的に探求する。彼のアートは、現代のアカデミズムに対する挑戦であり、新しい表現のあり方を提示している。
近年の主な展覧会に、「After 1881」(AISHONANZUKA、香港 2020年)、「Past and Present」(MOAH Cedar、ランカスター 2021年)、「Tales」(NANZUKA 2G、東京 2022年)、「Wunderkammer」(NANZUKA UNDERGROUND、東京 2023年)、「GUERNICA」(Colección Museo Ruso、マラガ 2024年)などがある。